こんにちは、春名佑紀です。
今日のテーマは「習い事」
新しいデータではありませんが、小学生の平均習い事数は約2個(2017年)
2015年よりも増えているそうです。
ちなみに私が担任した児童(小学生)で一番多かったのは8個!!
塾(2つ)・ピアノ・バイオリン・英語・水泳・空手・習字
という子(小学2年生)がいました。
私よりも過密スケジュールで、宿題ができないと泣いていました。
今日はこの「習い事」について私の考えを述べてみます。
何のための習い事か
「習い事ってなんのため?」
ということでしょう。
あなたはどう思いますか?
多くの保護者は
子どものため
と答えるでしょう。
実際、習い事をやって無駄になるということはありません。
水泳をやっていれば、少なくともクロールくらいは泳げるようになるでしょう。
習字を習っていれば、驚くほどヘタクソな字にはならないでしょう。
ピアノを習っていれば、音楽の伴奏などができる可能性があります。
でも、全ての習い事でその子の能力が開花するわけでもないですし、習い事に行っている時間だけ取り組んでいても、上達はしません。
結局どの内容も中途半端になる可能性があります。
例えば、
サッカーをやらせていて、将来はプロを目指す
水泳の選手コースで、オリンピックを目指す
プロのピアニストを目指す
など、その道の頂点を目指すというのであれば、なおのこと、その1つに徹底的に突き詰めて取り組んでいる必要があるわけですよね。
もちろん、これは極端な例ですが、ここまでを目指さないとしても、いくつも習い事をすることは、それだけ集中が分散することを意味します。
習い事の多い子どもの特徴
いくら成長著しい子どもといえども、なんでも取り組めるわけではありません。
習い事が多くなれば、1つに注げる時間や力は分散されます。
そうすると残念ながら、どれもこれも中途半端ということに繋がるのです。
それがもたらす影響は、ただ習い事が中途半端だったというだけにとどまらない大きな弊害をもたらします。
1つめは、集中力が続かない傾向がみられるということです。
習い事の多い子どもの方が、集中力が続かず、課題などの取り組みや仕上がりが遅かったりする傾向があります。
もちろん、その子の特性ということも考えられますが、普段から1つことにじっくり取り組む習慣がついていないので、慌ただしい生活の中、気が散りやすい傾向があります。
2つめは、自己肯定感が育ちにくい傾向があることです。
習い事の意義として大きいのは、「達成感を味わう」ことができることでしょう。
もちろん、習い事の内容を習得することにもありますが、そこには目標がありそれを達成する過程を学ぶことも重要なのです。
これが「成功体験」として子どもに刻まれます。
輝かしい成功体験ばかりをもっていても仕方ありませんが、失敗や苦労を重ねた上での成功体験は、その後子どもにとって大きな自信となります。
その自信は、自己肯定感を高める一因となりえますが、習い事が多く、一つ一つが中途半端だとその成功体験の積み重ねができにくくなるため、自然と「自分は何をしてもダメだ」と思いがちになります。
3つめは、時間管理が上手にできない傾向があります。
習い事が多くなると、その1つ1つが受動的になります。
最初は自分でやりたくて始めたものでも次第に、「やらされている」という感覚になるのです。
1つ1つのスケジュールがまるで学校の時間割のようになり、「受ける」姿勢になります。それはやがて、時間の使い方にも影響が出てきます。
この時間管理は、子どもの特性もあるのですが、小さい頃に時間をどのように使ってきたかに大きく左右されるので、なるべく空いている時間を自分でどのように使うかという訓練が必要になります。
どのように「習い事」をさせるべきか
これについては、家庭それぞれの教育方針があるので、一般論となりますが、
最低限2つの事はクリアするべきでしょう。
①子ども自身がその習い事にモチベーションを感じているか
②どこまでできるようにするかのゴールが明確か
①については、見極めが難しいですが、子ども自身がやる気を失っているのであれば、長くやっていても成果はでません。少なくとも、本人が「辞めたくない!」と思っていることでなければ、続ける意味はないでしょう。
②については、最初からそのゴールを決めるというよりは、1年ごとに子どもと相談するのがおすすめです。
なんとなく習字を続けていたら、書写の先生になれたという人もいます。
サッカーを続けてきたことで、高校や大学の推薦を取ることができたということもあるでしょう。
人生の中で何が役に立つかわかりませんので、習い事をさせてあげるのは、きっとどこかでお子さんの人生にプラスとなるものです。
ただ何事も過ぎたるは及ばざるが如し
せめて、習い事がない曜日が週に3日くらいは欲しいかなと、教員としては思います。
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