外国語の教科化~日本の英語は大丈夫?

学校あれこれ

こんにちは。春名佑紀です。

今日は2020年改訂新学習指導要領の目玉、「外国語の教科化」について話をしていきます。

今日のテーマはズバリ!

日本の英語教育はどこに向かっているのか?

てな話です。

 

小学校の英語必修!気になるその内容は?

まず、学校での外国語教育について話す前に、前提があります。

「外国語」→教科(5・6年/週2時間)
「外国語活動」→教科外(3・4年/週1時間:1・2年/適宜)

となっています。

もともと、「外国語活動」として5・6年生で行ってきたものを下に移行させ、5・6年の外国語を必修にしたという流れです。

教科になる(必修になる)を今までと2つことが変わります。

①評価を付ける(3段階評価)

②時数は必ず確保する

細かい話をすると、②については、3・4年は現在週1時間を外国語として割り当てられているので、やらないといけませんが、1・2年生については、地域や学校単位で異なります。

教科になって一番大きいことは、評価を付ける対象になったという点です。

では中身はどうなっているのか?

上の図で見ると、もともと5・6年生で行っていた「外国語活動」の内容は3・4年生で行い、中学校で行っていた内容を5・6年生に下ろしたことがわかります。

では具体的にどんな内容を学習しているでしょうか?

簡単に言うと、

会話を通して単語と文法を学ぼう!

ということです。

 

私たちの時代(っていつだ!)の英語は、中学で最初に習うのは、

I have a pen.

I am Ken.(私はケンではないが)

とかですよね?

だんだん動詞を覚えて、play、use、eat、like、などを覚えていき、進行形・過去形・不定詞・・・なんて聞きなれないものを習っていく。この辺あたりまではいいのだが、現在完了とか過去完了とか出てきたあたりで、だんだん英語がわからなくなる・・・という感じではありませんか?

こうして、私は英語がだんだん苦手となり、そのうち外国の人に話しかけられるとすっ飛んで逃げるという大人になっていくのですが、今までやってきた英語では、「話せる英語は身につかない!」という反省から、会話を重視した外国語教育へと舵を切るわけです。

そして、今はどうかというと、

もっと実際にコミュニケーションとして使える表現を身に付けさせよう!!

という発想になり、子どもたちの外国語の教科書では場面設定がかなり重要になっています。

例えば、買い物をする際に客と店員は何を話すのかを習います。

そうしてその言い回しの中から、単語や文法を覚えていくとのです。

一見すると、

それってすごい画期的じゃない!?
と思うかもしれませんが、実は、大きな問題が潜んでいます。
外国語の授業が抱える課題

長年、日本の英語教育は世界で通用しないと言われてきました。

筆記はできても会話はできない。
日本人は英会話を苦手とし、英語を使う場面では気後れすることが多かったでしょう。

一方、日本人の英語の試験の成績はとても高く、文法や単語などを知識量はトップクラスと言われていました。

読めても書けても、話せない。

これは、日本の英語教育がずっと抱えてきたジレンマだったのです。

 

そこで話せるようになることが英語教育の目標となったのです。

 

しかしここで大きな壁が立ちはだかります。それは

受験英語

です。

 

学校で、会話を重視する授業を展開していくと、どうしても文法や単語の知識量が激減します。しかし、今だ受験英語は、文法がわからないければ解けない問題が多く出題され、学校で授業を受けているだけでは、受験英語に立ち向かえないのです。

そしてもう一つ、人々が目を背けがちになりますが、会話を成立させるためにはある程度の英単語は必須です。

結局は、地道に読んで、書いて、発音という今までの英単語の学習方法は必要となるのです。

昨年大学入試改革の一つとして、英語の民間試験導入があり、結局断念した経緯がありましたが、ここも日本として英語教育をどのようにしていきたいのかがブレブレであることが透けて見えます。

日本として、どんな人材を育成していきたいとのか?という指針が定まっておらず、専門家の発言に振り回されているようにも思えます。

英語を話せる人材を育成したい

今まで培った英語の読む・書く能力も維持したい

英語を楽しく勉強してほしい

とてんこ盛りの内容を一気に盛り込もうとしたのが、今の外国語学習になり、もっと小さい頃から英語を学習させよう!と小学校での必修につながったのではないかと思います。

 

英語学習のそもそも論

小さい頃から英語を学習していれば、すんなり入ってきて話せるようになるのではないか?

そう思っている方もいるでしょう。

これは半分正解で半分間違いです。

 

私たちが、すんなり日本語を話せるのは、普段から使っているからです。

そして、生まれてからずっと聞いているからです。

だから、小さい頃から英語を聞いて育った子供は、英語が話せるようになる、というのはよく言われていきました。

しかし、日常的に英語を耳にする環境って一般的でしょうか?

両親、もしくはどちらかが英語を話している、とか

家では英語を公用語にしている、とか

毎日、英語講座をラジオで聞いている、とか

かなり特殊な環境でがっつりやらないとそう簡単には入ってきません。

 

一方、大人になってから英語を覚えて話せるようになった人が口をそろえて言うのが

話せなければいけない環境になった

ということです。

例えば仕事で使う、

気になる外国の異性と話したい

留学先で日本語が使えなかった

など、必要に迫られて、英語をマスターする人もいます。

 

つまり、学校で週1~3時間、英語を学習したとして普段から使えるような英語の力が身に付くわけではないのです。

学校での学習がきっかけとなって、その後自分で英語を学習する、英語を使う環境に身を置く、などすることで、英語を自分のスキルにすることができるのです。

さらに、小さい頃から英語を学習に入れることで、苦手意識を助長させることも忘れてはいけません。

以前小学校で外国語活動として行っていた時に、楽しいゲームばかりをするから英語が好きだった子が、中学校に上がり、内容が難しくなって英語が嫌いになったというケースを中学校の先生から聞いたことがあります。そのギャップを減らすために、5・6年生での外国語を必修にして、滑らかに中学校へ移行するという狙いもあるのかもしれません。

内容は高度ですばらしいが、実態に即していないと結局絵にかいた餅なので、日本としての英語教育の体系化は急務な課題なのではないかなと思います。

 

まとめ

いかがでしたか?

正直、今回はちょっとまとまりがなかったと思います。

いろいろ私自身もブレてしまったと思うので、また小学校の英語教育については改めて検証してみたいと思います。

今回最も言いたかったのは、もしかすると、学校での外国語教育に過度な期待をしている保護者の方もいらっしゃるかな、と思い、現状をかなり厳しく分析してみました。

 

でも結局は、子どもたちが英語に苦手意識をもたず、果敢に挑戦してもらえたらいいなと願うばかりです。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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