こんにちは。春名佑紀です。
新人・若手向けの学級経営講座を前回開講しました。
生粋の教員ではないので、様々な視点が入り乱れると思いますが、
視野を広げることはこれからの教員には必ず必要になってくると思うので、
新たな視点で、学級経営を考えていきたいと思います。
第2弾は、子どもとのかかわりについてです。
まず、あなたに質問します。
子どもは好きですか?
学校の、特に小学校の先生になる人は、「好き」と答える人が多いでしょう。
ところが、教員になってから
「それほど子供のことを好きではなかったかもしれない。」
と思う人はいます。
なぜ、こういうことが起こるのだと思いますか?
一番大きいのは、
子どもとはかわいいもの、純粋で無垢で、守ってあげなければならないと
思っているからです。
もちろん、子どもは守ってあげなければならないのですが、
見てるだけで、動いている姿を見てかわいいと思うのは、せいぜい1年生くらいまでです。
当たりまですが、小生意気な子どもは結構います。
まあ、そういう姿も全てかわいいと思えれば、あなたは立派な子供好きでしょう。
つまり、教員として「子どもが大好き」であることはマスト事項ではありません。
せめて、嫌いでなければ十分です。
さて、質問を変えます。
あなたは子どもに好かれたいですか?
この質問になると、
「好かれたい」
と思う人が多くなると思います。
もちろん、嫌われるよりは好かれている方がいいのですが・・・。
では、ここであるクラスの事例を一つ挙げます。
小学校4年生 担任A先生
A先生のクラスでは、多少やんちゃな子でも先生の言うことをよく聞くそうです。
なぜなら、先生のことを好きになるからです。
ここまでは、いい感じですね。
ところが、このクラスは・・・、学校で決められているルールを守りません。
給食配膳の際、めんどくさいという理由で白衣は着ません。
学年練習などで遅れてくるのも当たり前。
廊下を走って他の先生に怒られると、先生が「運が悪かったな~」と慰める。
何かと遊びの時間が多く、いつもうるさいくくらいににぎやか。
担任がいない専科の授業では、専科の先生の言うことを聞かず、勝手に笛を吹く。
などなど。
さて、このクラス、5年生になったらどうなったと思いますか?
なんと、クラス替えがあったにも関わらず、学年崩壊になってしまったんです。
3クラスあったようで、この先生のクラスの児童も1/3なったはずなのですが、そのそれぞれの1/3が、各クラスでやりたい放題でとうとう、学年全体に波及してしまったそうです。
その後の立て直しは半年かかったそうです。
極端な例だと思いますよね?
実はそうでもありません。
似たようなことは私も目の当たりにしてきました。
このような事例は、枚挙に暇がありません。
これは「子供に好かれる」という意味を履き違えた結果です。
学校にあるルールの是非については、ここでは言及しません。
中には理不尽だと思うものもあります。子供の行動と制限するようなものも中には存在します。
でも、それを安易に取り払い、クラスにしか通用しないルールに書き換えてしまうのは意味が違います。
子供は、自分たちに優しい都合のいい先生は「好き」になります。
特に、やんちゃで基本怒られることの多い児童にとってはとても素敵な先生になるでしょう。
もちろん、怒ればいいというわけでもありません。
「ダメなものはダメ」と言えなくてはならないのも事実です。
私は、とても尊敬するある先生にこういわれたことがあります。
「担任は、好かれようとしてはダメです。あの先生は厳しい、と言われて嫌われるくらいでいいんです。『いい先生』はいずれ学級は崩れます。」
別に、子供に好かれなくていいんです。嫌われたっていいんです。
子供が、学校を楽しいと思うことが目的ですから、先生が好かれる必要はありません。
子供たちは先生のことをよく見ています。
結局、卒業してみると、厳しい先生のことをよく覚えていたりすることがあるように、その場で都合よく楽しかったという先生の記憶はあまり残らなかったりします。
「ダメなものはダメ」
このダメが多いと子供は窮屈になります。
でも、教員がどうしても譲れないものをもっていると、児童がそれについていきます。
例えそれが、子供から嫌がられることであったとしても譲ってはいけません。
さて、子供に嫌われる覚悟はありますか?
今日もあなたを応援しています。
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