こんにちは。春名佑紀です。
今日のご相談は、「忘れ物」。これは、日々の積み重ねがものをいうことになりますね。
忘れ物は、教員にとっても永遠のテーマですね。
ただ、最近では、人権などの観点から忘れ物をしたことで叱責をしないとか、忘れ物をしたらどうするかとか忘れ物をなくすためにどうするかとか、リカバリーについて考えさせる方が多いようです。
その辺りの話も加えながら話していきます。
忘れ物をして一番困るのは誰か?
これはもちろん、「自分」なのですが、今教育界では、あまり困らせないという流れがあります。
例えば、
体育着忘れると、体育に参加できない。
習字道具を忘れると、書写ができない。
給食袋を忘れるとおかわりができない。
など、忘れ物によってはそれに合わせてペナルティーがありますが、今ここがなかなかできない現状があります。
特に、学習に関することは、「教育の機会の損失」となり、子どもたちの教育の権利の剥奪となるため、忘れ物によるペナルティーは扱いが難しいのです。
昔は、忘れ物したのが悪い!と言えたのですが、今は時代がそうではありません。
まあ、流石に体育着や水着、水筒など特にこの時期気になるようなものの貸し出しは当然できませんが、鉛筆とか筆箱とかノートとかくらいなら、貸してあげるという対応になります。
そうすると、「借りればいいや」と思ってしまいますよね?
私から言わせれば筆箱を忘れたという児童には、
「君は今日、何しにきたの?」
と言ってしまう時もありますけどね。
こんな状況も手伝って、忘れ物は年々その重要性を失っているように感じます。
しかし、そうやって甘やかしてもらえるのは学校にいる間。(しかも小学校くらいまでかな)
なので、いずれ忘れ物を放置しておけば、皺寄せは自分に降りかかってきます。
ましてや大人になれば、「忘れました」ではすまない事態がやってきます。
信用を失います。
仕事を任せてもらえなくなります。
今、学校では困らないかもしれないけど、大人になって困るかもしれないことをしっかり伝えた上で、長いスパンで考えた時に、少しでも身につけたおいた方がいいので、対策は必要です。
ちなみに、忘れ物は、大人になったら治るというものではありません。
注意力と先読みの力なので、小さい頃から鍛えておくことをお勧めします。
忘れ物の傾向と対策
まずは、お子さんの忘れ物はどんな傾向があるかを考えましょう。
大きく分けると2つのタイプに分かれます。
①注意力が散漫・集中力が続かない
②何でも後回しにする
※ちなみに私はこの2つともあります。
①注意力が散漫・集中力が続かない
このタイプは、色々なことに気を取られてしまい、やらなければならないことを忘れてしまうタイプです。
例えば、学校で帰りの支度をしていて、道具箱の中身をランドセルに入れようとした時、友達から放課後の約束について話をされて、どこで待ち合わせなどと話しているうちに道具を入れ忘れて、ランドセルが空っぽのまま帰ってきたというエピソードがあり得るタイプです。
どうしても今やっていることに集中できなかったり、周りに気を取られたりするので、気がつくと大事なことを見落としているのです。
②何でも後回しにする
この場合、やらなければいけないことはわかっているのですが、とりあえず目先やりたくないことから目を逸らして違うことをしてしまい、つい忘れてしまうのです。
例えば、明日の準備をしてからゲームをするという約束があるにもかかわらず、先にゲームをやってしまい、結果準備をせずに寝てしまったというパターンです。
一見するとこのタイプはいい加減にも見えますが、しっかりやりたいという隠れ完璧主義な一面も持っています。
旅行の準備などがそうで、忘れ物がないようにしっかりやらないといけないと考え、時間がゆっくり取れる時にやろうなんて考えていると結局旅行前日まで何もしていなかったというオチがあります。
これらは、複合的に出てくることもあるので、どちらにも当てはまることもあるでしょう。(私のように)
では、それぞれの対策です。
①やることを見える化し、ルーティーンにする
注意力が散漫・集中力がないという場合は、とにかく目に触れるところにチェックリストなりメモなりを置いて、やること自体をルーティーンにしてしまうのが一番です。
まずは、明日の準備はいつやる、持っていくものはここにおいておく、準備できたらできたと親に声をかけるなどなるべく例外が出ないような枠にはめてしまいます。
そのルーティーンを覚えるまでは時間がかかるし、声かけが必要だと思いますが、身についてしまえばこっちのものです。
学級でも、このルーティーンをなるべく早いうちに定着させることで、学級経営を成立させていきます。
ルーティーンの作ることは、ズバリ!シンプルにすること!
最初は、一緒にやりながらまたできているか確認しながらになると思いますが、定着してきたと感じたら、後でできているかのチェックだけで大丈夫です。
早ければ数週間、どんなにかかっても3ヶ月あれば定着するので、帰ってきてからの流れを確認してみてください。とにかく複雑にしないことがコツです。
②時間をゆっくり確保してあげる
後回しにしてしまう子の特徴として、「ちゃんとやりたい」という欲求があります。
(実際にちゃんとやっているかは別にして。)
それができないなら後でやるといった傾向が見られるので、時間をゆっくり確保してあげることが必要です。
時間を確保するというのは、そのやるべきことの後にご褒美のようなものややりたいというものを設定しない方がいいでしょう。そうすると、やるべきことがいい加減になったり、やったと言って実はやっていないということが起こり得るからです。
とにかく先にやる、時間がかかってもいいからちゃんとやる。
先にやる癖をつけてみるといいでしょう。
その癖がつき始めたら、その後にご褒美というのもありですが、とにかく「先にやる」という習慣をつけることが大事です。
ここが身につくと、
「準備をしないと気持ちが悪い」
となれば大成功です。
どちらも定着させればできるようになります。
とにかく、根気強くできるまで見守ってあげることです。
相談まとめ
いかがでしたか?
こういう習慣をつける話では、ご褒美シールを貼るだとかご褒美を与えるだとかありますが、あえて今回はその話題は入れませんでした。
というのは、これらは「外的要因」で準備そのものとは関係がありません。
もちろん、本人のモチベーションになるかもしれませんが、このご褒美がなくなるとやらなくなるということも考えられるので、準備という行為そのものを定着させることがいいかなと思いました。
ただ、できたときは
「しっかりできたね。」
「ちゃんとできたね。」
「自分からできたね。」
といった肯定的な声かけは是非かけてあげてください。
一朝一夕では身につかないので、とにかく長期戦だと思って進めてみてください。
小学校2年生ということなので、大丈夫だと思います。
健闘を祈っています!!
何かの参考になれば嬉しいです。
今日もありがとうございました。
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