教員の質とは スキル編  現場が抱える問題④

教育全般

こんにちは。春名佑紀です。

今日は前回の続きです。

教員の質の「スキル編」です。

実はこのあたりの内容は、別の切り口でハンドブックにも載せている内容です。
もしご興味ある方は、こちらもご参照ください。
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前回の記事では、教員の資質「人格編」として、

「自分を客観的にみられる人」
「向上心のある人」

の2つを挙げ、

これをまとめて

「自分メンテナンスができる人」

とまとめさせていただきました。

 

実は、この内容は、「スキル編」にも非常に関連してきます。

ここでいう「スキル」とは大きく分けると

「授業スキル」

「学級経営スキル」

の2つです。

初任の時は、他の先生のやっていることを見よう見まねで挑戦したり、どこぞの本ややり方などをパクってみたりといろいろなことをしてみます。

すると3年くらいで、なんとなく「自分のやり方」というものが確立してきます。

すると、初任校での後半2~3年はある程度、うまくいく授業や学級経営がなんとなくできるようになっている人も多いのではないでしょうか?
しかし、ここで決まった「自分のやり方」に固執すると、次校やその後などで大きなしっぺ返しを食らうことがあります。

よく、力があったり、評判の先生が移動先の学校で学級を崩してしまうことがありますが、これは「自分のやり方」を過信してしまうことから起こることです。

その際に、軌道修正をする勇気と潔さが必要になります。

いつまでも前にうまくいったやり方や学級の子どもたちのことを思っているようでは、成長は見込めません。

 

人間は、一度見つけたやり方に安堵感を覚えて、それを繰り返したがる修正があります。

でも、教員である以上、同じやり方が通用することはありません。

 

子どもも変わります。

保護者も様々な価値観をもっています。

社会も時代も変わります。

当然、教員だって変わっていかなければならないのです。

 

学級崩壊を起こすのが若手教員ばかりでないのは、自分を変化させていくことを怠ったベテラン教員が「自分のやり方」から脱却できなかったからです。

しかし、矢鱈めったら変化させればいいというわけでもありません。

これもよく陥るパターンですが、やたら教材研究をして、やたら研究授業に名乗りを上げて、やたら研究会などに参加するという先生がいます。

これはもちろん「向上心」といえるかもしれませんが、なぜかその人の授業を見ていても刺さらないことがあります。

スキル面を考えるにあたってこれがもう一つのヒントとなるものです。

 

 

それは、目の前の子どもをどれだけ見ているかどうか。

 

私が尊敬する先生の一人は、国語の専門の先生で、何度か授業を見せていただきましたが、それは素晴らしい授業でした。

何がすごいかというと、児童を把握する力です。

あれくらいの先生になると、例えば「ごんぎつね」などは何十回と授業で行っていることでしょう。それでも、毎回子どもが違う発見をして「新しい授業」を展開していくということは、いかに子どもと向き合って教材研究をしているかという証です。

しかも、通常の授業(研究授業とかでない普通の授業)でも、めちゃくちゃ教材研究をしています。一度教材研究ノートを見せていただいたことがありますが、びっくりしました。

こんなにベテランで何度もやってきている教材を一から研究しています。

主題となりそうな文章から、今の子どもたちはどんな感想をもちどんな意見を言うか。どんなことを考えて何を身に付けさせることができるか。

最近アクティブラーニングが言われるようになりましたが、授業の原点はここです。
特別最近の考え方ではありません。

でも、それには、教材を読み込み、児童をまっさらな目で把握し、自分の知識や技術を高めていくことが不可欠です。

 

果たして、ここまでのことを教員になる前に学生は知って学校へと配属されているのでしょうか?
今の大学でここまでの教育ができるのでしょうか?

 

今教員養成系の大学はただ、免許をもった学生を輩出させるだけの機関になっていないでしょうか?

もちろん、受け入れる学校が変わらなければならないのはもちろんだと思います。
いまのまま働かせ放題のシステムは変えないと、優秀な人材はどんどん出ていき、質がどうのというレベルの低い話をしなくてはならなくなります。

でも、学校の現場のひどさを訴えるだけではなくて、どうしたら学校が変わるのか真剣に考えるときに来ているのではないでしょうか?

このままでは、公教育は崩壊するでしょう。

教員になりたい若者で優秀な人はたくさんいます。
でも、これが学校だから慣れろ、馴染め、という乱暴なやり方では、優秀な人ほど辞めてしまうでしょう。

一方で、どんな覚悟をもって学校で働くかを教員になる前から教えていき育てる教育も必要なのではないでしょうか?

子どもが好きで、子どもの成長に関われるのは素晴らしいことでやりがいのある仕事だ

と学校のきれいなところばかり強調するようなものでは正直詐欺に近いのではと思います。

 

 

最後、ちょっとヒートアップしましたが、
もしこの記事をこれから教員を目指す人や教員になろうとしている人がご覧になったのであれば、一度立ち止まって考えてみるのもいいのではと思います。

 

今日はこの辺で。

読んでくださりありがとうございました。

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