こんにちは。春名佑紀です。
小学校の外国語記事パート2
今回は、教える教員について書いてみます。
教科化の問題点を挙げるうえで一番大きな問題は、教える教員にあります。
現在、外国語活動には、ALT(外国語指導補助)がついています。
多くは外国人で、教師と一緒に授業をしています。 建前上は、HP(ホームルームティーチャー:担任)がメインで、ALTは補助教員です。
ところが実際は、メインをALTが担っていることも結構あります。
教師は、できない児童について補助したりして、授業の主導をALTに任せることも少なくありません。
しかし、教科化になると、週に2回の授業となりその両日にALTが付くとは限りません。
当初の予定通りメインは、担任となります。
ここで、2つの問題点が出できます。
1つは、教師の英語の実力によって、提供できる授業に大きな差が出てしまうということです。
当然ですが、英語が話せてネイティブともコミュニケーションできるような先生と私のように英語を話すことに抵抗がある人間とでは、授業に差ができてしまいます。
極端に例えるなら、小数の割り算のひっ算ができない人が算数を教えるようなものです。
英語でコミュニケーションをとることと、英語でのコミュニケーションが「できる」には、大きな違いがあります。
話せないなりにも伝えようと努力する姿を評価するか、英語で話せるようにするかでは雲泥の差です。
2つ目は、英語が話せるということと、英語を教えるスキルがあるということはまた違うということです。
授業は技術です。
中学・高校の先生たちが、「英語」の指導免許をもっているのにはだた、英語が好きで話ができるとか、英語が得意というだけではない、「教える技術」をもっているからです。
当然ですが、英語が苦手だと思っている人は英語を教える技術が高いとは言えません。
さらに、TOIECで高得点を取れる人が、必ずしも教え方が上手いとも限りません。
つまり、英語を教えるには大きく分けて2つのハードルがあります。
しかし、そもそも小学校の教員は、英語を教えるために、教員になっているわけではありません。
英語指導には、その根本的なものが、他の教科を違うのです。
新学習指導要領の中身を見ると、小学校5・6年生に教える内容について、もともと中学生で行うような内容が降りてきています。
覚えることを強制しているわけではありませんが、新出英単語として200語くらいはあるようです。
また、結構びっくりしたのが、私の頃は、動詞はまずは現在形で覚えて、その後過去形というのがあるのを知り、ひたすら現在形と過去形とその後出てくる過去分詞を覚えることをしましたが、6年生の段階で、一部の過去形が出てきます。
しかも、出てくる単語の多くは、過去形が変則になるようなものです。
例えば
go ⇒ went
see ⇒ saw
「-ed」を付けないものを、過去形という概念を伝えないまま、にゅるっと組み込むようです。
最初聞いた時には、かなりびっくりしたものです。
恐らく、ねらいとしては、
英語=知識
ではなく、
英語=技術
として、定着させたいのだと思います。
このようなものを教えることができる教員が一体何人いるのか?
かなり疑問です。
近い将来、英語の「専科化」の話が出ると思います。が、しばらくは担任が四苦八苦しながらやることになるでしょう。
その間に教わった児童は、その教員の英語スキルによってまったく違った英語を学ぶことでしょう。さらに、その授業が、子どもの英語嫌いを早い段階で作る要因にもなるかもしれません。
教員の働き方改革が大きく取り沙汰されていますが、これではますます教員のやることは減りません。
実際の文科省は、どの程度の英語の技術を小学校で付けさせて中学校へ上げたいのかという明確な指針がないので、そのレベルは青天井です。
地域やその学校の方針によって、レベルの統一はできないでしょう。
そんなあいまいな状態で、教える教員もままならない状態でよく、英語を教科にしようとしたなとあきれるばかりです。
あなたはどんな人に英語を教わりたいですか???
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