学級経営講座⑬ 学級目標を決めた?

学級経営講座

こんにちは。春名佑紀です。

突然ですが、
学級目標を決めましたか?

よく、先輩教員から

「4月の最初に学級目標を決めるんだよ」

とアドバイスを受けた方いると思います。

そして、教室の上の方に、バーーーンと張り付けちゃったりして。
その周りに、子どもの似顔絵とか手形とかべたべたしたりして・・・。
(ちなみに、全て私はやりました。)

では、もう一つお尋ねします。

「なぜ、学級目標を立てるのでしょうか?」






明確に答えられますか?
もしくは、あなたはどんな目的をもって、
子どもたちに、学級目標を立てさせたのでしょうか?

以前、学級経営講座で教員自らの学級経営方針を立てましょうという話をしました。

「学級経営講座①」

これは、担任のあなたがもっておくべき経営方針です。
これが当然基になりますが、
子どもたちには子どもたちの期待があります。

こんなクラスにしたい。
こういうのは嫌だ。
こういうクラスなら楽しい。

これらの期待や思いを形にしたのが

「学級目標」

です。

この学級目標は子どもたちのためのものです。
子どもたちが自分たちの学級にどうコミットするかの指針となります。

当然ですが、そのための仕掛け作りは担任の仕事です。
学期の初めに学級目標を決めるのは、児童の学級に対する期待感が
大きい時期にその思いを表現できるようにするためです。

ですので、まだという人はぜひ、学級目標を決めてください。

では、ここからは学級目標を決めてあるという前提でお話しします。

ほぼ、多くの学級で起こる現象として、
「学級目標は決めたが、それ以降、学級目標に触れることなく終わった」

というパターン。

正月に1年の抱負を立てたけど、一度も見ていないし、何か忘れちゃったという
よくありがちなやつです。

学級目標を決めてみるとわかりますが、
結構手間なんですよ。
最初は子どもたちも要領を得ないし、
なんか文章ばかり長くて、内容てんこもりみたいになるし、
結局、何をしたいのかボヤってなります。

そしてやっとこ決まって、掲示までしたものの、
次見たのは年度末の教室清掃というオチ。

もったいない!!

ぜひ、活用します。
そして、できれば定期的にこの目標を子どもに意識させるのです。

あるクラスでは、朝の会で復唱していました。
またあるクラスでは、1か月ごとに、自分の学期目当てとともに振り返りシートを
書かせていました。

何かクラスでトラブルがあったときは、学級目標に立ち返るチャンスです。

例えば、
「学校一、仲良しなクラス」
という目標を作ったとします。

しばらくして、けんかが多発したとします。

その際、仲良しなクラスという目標のために
あなたが取れる行動は何か?を子どもたちに考えさせるのです。

ある子供は、けんかを止める係を作ろうといいます。
また、ある子は、けんかになりそうになったら、先生を呼ぶといいます。
また、別の子は、けんかするときは、廊下に出て話し合いをするといいます。
さらに、けんかになる前に譲れた人を表彰しようといいます。

これらは、子どもたちから出てきた意見です。
低学年でもこんな内容を考えだします。

ここで大事なことは、

けんかをしないことではなく、
無理やり仲良しなクラスにすることでもなく、

「仲良しなクラス」になるにはどうしたらいいのか、知恵を出し合って考える時間を作る

ことです。

喧嘩が全く起こらないクラスなんで、返って気持ち悪いです。
子どもたちが複数いれば、衝突は起こります。

でも、それをどのように解決するか
あーでもない、こーでもないと考えさせることが教育です。

そのための指針となる「学級目標」は、児童の話し合いのよりどころになるわけです。

小学校における学級経営は、学力向上と社会性の育成の両輪によって成り立ちます。

世の中では、学校や教師の議論になると、学習面に目がいきがちになりますが、
小学校の、特に低学年においては、生活面や集団での生活などの社会性を身に付けることは、
大きなウエイトをします。
また、昨今の子どもたちの、生活体験の乏しさから、こういう一面の教育需要は
今後高まってくると思うのです。

なかなかクローズアップされない面ですが、
わざわざ、学校という箱の中で子どもを育てる意義は、
ここにあると思うのです。

学力だけなら、自宅でも塾でも今はいくらでも学ぶ場所もツールも存在ます。
学校に通う目的を再度見直して、
それを踏まえての、教員配置や働き方改革、授業内容の見直しを図っていくことが
大事なのかなと思っています。

話がそれましたが、
その機会としてぜひ、学級会や学級目標をうまく使ってほしいと思います。

学級目標を作りたくなりましたか?

次回は、学級会について話します。

では、あなたの学級経営を全力で応援しています。

コメント

  1. […] 前回は、学級目標についてお話ししました。学級経営講座⑬ […]

  2. […] 学級経営講座⑬学級経営講座⑭では、学級活動シリーズをお送りしています。今日は、学級会についてもう少し堀下げていきます。先に結論からいうと、学級会を行うと児童が成長を間近で感じることができますし、学級のまとまりがよくなりますし、学級崩壊を防ぐ手立てにもなりますし、なにより、子どもたちに大切なスキルと身に付けさせることができます。しかし、なんでもそうですが、ただ、学級会をやればいいというものでもありません。そこには、仕掛けるポイントがあります。ところで、学級会というとどういうものをイメージしますか?一番多いのは、お楽しみ会に何をやるかを決める場面でしょうか?まずは、司会が何をやりたいかを聞き、ある程度意見が出てきたら、多数決を取る・・・みたいな。前回、学級活動(1)では、児童を主体として行う時間だという話をしました。一応、児童が主体で学級活動の時間に何をするか、決めていますね。でも、残念ながらこの学級会を何度繰り返しても、子どもたちに「話し合いのスキル」は身に付きません。子どもたちの成長にもつながりません。「話し合い活動」において、一番難しい場面はどこだと思いますか?それは、決定の場面です。つまり、先ほどの例でいうと「多数決」の場面です。ちなみに、この意思決定場面において、どのような手法があるでしょうか? […]

  3. […] 学級経営講座⑬学級経営講座⑭ […]

  4. […] 先日学級活動に関する記事を載せた際に、学級目標に話をしました。※詳しくはこちら […]

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