【番外編】休校明けの学級経営①

学級経営講座

こんにちは。春名佑紀です。

とうとう東京での感染が200人を越えましたね。
検査数などのいろいろなからくりもあると思うので、数字に翻弄されてはいけないと思いますが、とかく公共機関とはこういう公に出された数字に準じて物事が決まっていくので、これは5月GW明けの様子にも影響が出てくるかもしれません。

 

さて、こんなことを言っていても私たちには感染を止められわけではないので、ただ自分の大切な人や子どもたちが健康でいられることを祈り、今できることをするしかありませんね。

 

今日は、学級経営としては番外編となると思いますが、こういう状況の中でどのような学級経営のかじ取りが必要になるかについて考えていきます。

 

休校明けに予測される2つの事

いざ、5月7日より学校が再開されたと想定して話をすすめます。

私が通っている自治体は3月2日からずっと休校が続いています。
在校生については、3月に2回ほど学校に来たきり、来ていません。

本来は来週に「連絡日」(臨時登校などではないので授業などはできない)が設定されていますが、現時点でどうなるかわかりません。

今だ新しく担任する児童の顔を見ていないので、この日は一度でも会いたかったと思っていますが。

話は逸れましたが、7日から通常通り(とはいかないと思いますが)学校が始まるとどんなことが起こるかを考えてみます。

ポイントは3つ

①児童がどのくらい登校するか
②休校機関の学習保障について
③学校内の行事調整がどこまでできるか

です。

①児童がどのくらい登校するか

今の段階では、GW明けにこの感染状況がある程度終息するとは考えにくいです。

油断をすればまた増えて、ある程度減ってもまた増えてというだらだらとした形で少しずつ山が小さくなり、落ち着くという曲線になりそうだと言われているので、1年ほどかかるという試算は決して大げさでないでしょう。

となると、たかだか2週間程度では、安心して学校に通えるという状態にはならないと思います。

しかし、よほど状況が悪化しない限り、これ以上休校期間を延ばすとは考えにくいです。

となると、段階的ですが、学校を開けていく方向になるでしょう。

つまり、学校への登校は、「保護者の判断」となります。

 

既に2か月を超える休校期間を経ているので、子どもも保護者もかなり限界に来ていると思います。となると、多少無理をしてでも学校に行かせると考える保護者はいるでしょう。

一方で、登校に際して、慎重に考える保護者もいると思います。

となると、学級では子どもが揃うことなくスタートすることが考えられます。

以前、東日本大震災の時に、放射線が東京にまで来ているという話が広がり、地方へ疎開する児童がいました。

同じように、この状況で学校への登校に踏み切れない保護者がいるのは当然だと思います。

そうなると、子どもたちとっていざ学校が再開しても、なんとなくピリピリした状態でのスタートとなり、学校が再開し、友達会えたりすることで、家にこもっているよりはストレスが発散できると思うかもしれませんが、また別のストレスを感じさせることになるかもしれません。

 

②休校機関の学習保障について

次に問題になるのが、幾度となくささやかれている「休校期間の学習保障問題」

これを考えるには2つの段階があります。

1つは3月休校分の前学年分

2つめは、4月からの新学年分

です。

この2つは考え方が全く違います。

おそらく対応が分かれるのが3月休校分の前学年分だと思います。

萩生田文部科学大臣が、休校期間の学習は、家庭学習での内容をやったものとみなす発言があり、これも波紋が広がりましたが、

「3月という時期」という観点と

「何年生だったのか」という観点

で対応は違ってくると思います。

もちろん、3週間ほどありますので、全ての単元が終わっているわけではないと思いますが、ほぼまとめの時期に入っているので、大きく内容が欠けているというのは考えにくいです。

実際は、3月の1週目には通知表が固まってくるので、学年のまとめとしての時間は完全に失われてしまったかもしれませんが、学習が大きく遅れるというのは、はっきり言って教員の計画ミスと取られても仕方ありません。

全く抜けがないとは言いませんが、新学年の内容で、回収は可能だと思います。

特に小学校であればなおさら、強いて言うなら、4年、5年の算数は少し取り上げる必要があるかと思いますが、この時点で新出漢字が終わっていないという場合は、授業計画に問題があったと言わざるを得ません。

地域性や学力差もあるので、この意見は少し乱暴かもしれませんが、小学生についてはそれほどこの期間の学習保障について、心配する必要はないと思います。

復習テストのような形で到達度の確認は必要だと思います。
それが、次の学年で授業を行う際のレディネスになるので。

次に、4月からの新学年分です。

ここが厄介です。

なぜかというと、この分については、絶対にやるべき範囲だからです。

つまり、この4月1か月分の休校分については、3月までのようにやるのかやらないのかではなく、必ず実施するべき内容です。

では、何が厄介なのか。

それは、「時間」です。

つまり、1か月減った分の引いて、1年間の内容を実施しなければならないのです。

恐らく、夏休み等の削減や土曜日の活用などが出てくると考えられますが、それでも、1か月丸々無くなってしまった分はかなり大きいです。

4月は新学期に子どもたちにとっても重要な時間ですが、我々教員にとっても大事な勝負の時間なのです。

1年間の学級経営を決める重要な時間であるため、授業を進めることもそうですが、学級に関わる全ての種をまく時期なので、その分が失われてしまったのはかなり大きいです。

それに加えて、時間がない中で遅れている分の授業を取り戻すため、スピード感が求められます。

GW明け1か月は子どもにとっても教員にとっても、ハードな1か月になるでしょう。

題材とずれてしまいましたが、学習保障というよりも、事は深刻だということです。

この点については、次回の内容で実際の子どもたちの心のケアと一緒に考えていきたいと思います。

 

③学校内の行事調整がどこまでできるか

実は、この3番目が一番危惧しているところです。

もうすでに、春運動会の中止や宿泊体験の延期などが決まっているところもあります。

しかし、学校には大小さまざまな行事があります。

この中で4月に必ずやるもので、結構大きいのが、

「健康診断」と「体力テスト」です。

なぜなら、これらは締め切りが決まっているのです。

先程、②で4月からの学習内容の実施するには「時間」が重要だと話しましたが、学校は勉強ばかりするところではありません。
むしろ、こうした「勉強以外」のことで結構時間を要します。

もちろん、無駄なことではないのですが、こういうことを4月の最初に少しずつ行いながら、子どもたちの様子を把握し、学級経営に反映するということを行います。

1学期に関しては、特に体力テストはかなり負担で、あまり暑くなってから実施すると、今度は熱中症の危険も出てくるので、5月に入ってから急ピッチで実施が必要になります。

健康診断も、これはとっても大事なのですが、校医さんの予定などもあり、授業の合間を縫って行われます。

遅れている授業分を取り戻したいという思いと、こういう決められた内容。

これらの兼ね合いがとても難しくなります。

他にも、細かい行事がぎっしり詰まっている現代の学校。

これらを全て例年通り実施するには、無理があるでしょう。

こういうものをどうやって調整を付けて、何に重点を置き、この1年をどう過ごしていくのかということを1年間を俯瞰して考えられる管理職や教育委員会であればいいのですが、私の経験上、こういうことが苦手な人たちの集まりだと思うので、期待はできません。

 

今こそ、「例年通り」ではなく、取捨選択ができるどうかが、この国難ともいえる事態において子どもたちの「学ぶ権利」を守れるかどうかだと思います。

 

ちょっと、長くなってしまい、概要話して終わってしまいました💦

で、大事なのは、この後です。

こういう状況の中で我々教員はどうやって子どもたちと向き合っていくべきかを本当は書きたかったのです。次回書きます。

とにかく、早くこの感染症が落ち着き、子どもたちと一緒に過ごせる日が1日も早く訪れることを祈って。

コメント

  1. […] 前回は、かなりヒートアップして問題となりそうなところをピックアップしてみました。 […]

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