学級経営講座⑥ 黄金の3日間

学級経営講座

こんにちは。春名佑紀です。

なんだか、冬に逆戻りしたかのような天気ですね。
桜は頑張って、咲いてほしいです。
どうやら、千葉の方は入学式まで桜がもつかもしれませんね。

今日は学級経営第6弾。
そろそろ新学期ということで、このテーマを行ってみましょう!

「黄金の3日間」

これは、教育界では知らない人かいない向山洋一先生が提唱された
教育の法則化の理論にあるものです。
学校に勤務している人であればどこかで聞いたことがある「TOSS」です。

ちなみに、私は書籍を少しかじった程度で、TOSSの人ではありません。
TOSSに関しては、今回はその話題からは外します。
機会があればどこかでお話しすることもあるかもしれません。

さて、その「黄金の3日間」ですが、
いまや、TOSSかどうかは関係なく、一般的に定着していると思います。
初見という人もいると思うので説明します。

3日間とは、始業式からの3日間を指します。
この4月、新学期の3日間にしっかり学級経営の基礎を作ることで、
1年間の学級経営円滑に行うことができるというもの。

その大事な3日間ということでこの名称がついています。
最初って大事だよねということ。

ちなみに、ネットで「黄金の3日間」と」検索すると、びっちりA4 4~5枚くらいのレポートが出てくると思います。

この3日間とはどんな時間なのか考えてみましょう。

『初頭効果』という言葉を知っていますか?
マナー講座などでは、よく使われている言葉ですが、
人の印象は会ってすぐの印象で決まっていくというものです。

メラビアンという人が、
人の印象は6割が目からの情報、3割が耳からの情報、残り1割がその他で、
第一印象は5秒弱で決まると言われています。

印象に関する心理学にはさらに『後頭効果』と言われるものもあるのですが、
今回はややこしくなるので割愛します。

とにかく、人の印象は最初に感じたものが大きく左右するというものです。

この「黄金の3日間」とは、この効果を応用したものになります。
1年間、同じクラスで共に過ごす先生が一体どんな先生なのか、
この先生はどんな指導をするのか、
どんなことで笑い、どんなことで怒るのか、
どんなルールを作るのか。
子どもたちは、いろいろな角度から先生をよく見ます。

そういう時間を利用して、クラスの運営方針を子どもたちに浸透させていくのです。

そのためには、いくつかの前準備が必要になります。

①どういうクラスにするかという青写真を作る
②最初の呼名は絶対に間違えないように、読み方の練習をする。
③絶対に譲れないことを3つ考えておく。

① どういうクラスにするかという青写真を作る

当たり前ですが、どんなクラスにするか、つまり学級の経営者はあなたです。
どんな1年間を作っていくかはあなたの経営方針にかかっています。
どんなクラスにしたいかを考えるのは当然なのですが、
気を付けたいポイントがあります。

1つは、「青写真」であること
つまり、この時点ではまだ子どもを顔を見ていないのに、ガチガチに決めてしまうと、
後での修正が難しくなります。
また、理想ばかりを織り込みすぎる傾向があるので、
例えば、
なんでも挑戦するクラスにしよう
助け合いをクラスの軸にしよう
それぞれの個性を認め合えるクラスにしよう

などなんとなくの方向性を決めておきます。

その方法論や具体的な手立ては、子どもの顔を見てからいくらでも
考えることができます。

2つ目は、「自分の性格」と合わせること
クラスの特徴は、当然そこにいる子どもから成り立ちますが、
学級担任の性格も当然そこに加味されます。
さらに、学級担任のカラーが色濃く出やすいのも特徴です。

そこで、あなた自身の性格からかけ離れた内容だと、
1年間続かない可能性があります。
例えば、あまり身の回りの整理整頓が得意ではないという先生が、
環境美化をクラスの軸においても、きっと計画倒れが目に見えています。

ご自身の性格をよく考えて、大枠の方針を考えた方が、後々が楽です。

こうして、ある程度ゆとりをもたせた状態でのクラス経営方針を固めておきます。
そして、それは初日、もしくは2日目までは子どもたちに伝えましょう。

②最初の呼名は絶対に間違えないように、読み方の練習をする。

これは当たり前なのですが、
最初の呼名はとても大事です。
間違えようものなら、子どもは1年間ずっと覚えています。
それですぐに子どもとの関係が悪化するわけではないですが、
今は、読みづらい名前も増えたので、できれば実際に子どもを呼ぶように練習するのが
ベストです。
暗唱や口ずさむだけだと、実際に声を張って呼んでみたときに、
つっかえるポイントがあったりします。
これは必須事項です。


③絶対に譲れないことを3つ考えておく。

これは私が最も重視していることです。
私が初任の時に、たいして能力もないのに、理想のクラス像を作っていて、
それを実現する手立てもないまま、勝手に理想を子どもに押し付けていたら、
かなりの反発にあいました。
当然です。

先程、①でクラスの経営方針という話をしましたが、
ガチガチに決めない理由はここにもあります。
新人や若手の先生は、いきなりそんな理想のクラスなんてできません。
ほとんどが、子どもたちの協力があって出来上がってくるのです。

だから、あれもダメこれもダメ、とか
子どもの主張を聞かない学級経営は必ず行き詰ります。

ただし、子どもは正直なので、
なんでも許してくれるという先生の隙も見逃しません。
ちょっと油断して、対応にブレがあるとそこから学級崩壊を招くことがあります。

そこで、あなたが絶対に譲れないものを3つくらい考えておいてください。

例えば、友達にけがをさせる
    自分や友達を危険にする行為をする
    嘘をつく
    友達の物を隠す、取る

など。

これらは、「先生は絶対に許さない!」ということです。
見ていただければわかると思いますが、かなり微妙なものもあります。
ちなみに、「いじめを許さない」という言い方をしないのには理由があります。
これは、テーマが重いので、また別の機会に。

もちろん、それ以外のことは全て目をつぶるというわけではありません。
でも、ケースバイケースということがあるので、
必ず怒るということにしておくと、あとが疲れます。

でも、ここで決めたことに関しては、どんな理由があろうとも
絶対許さない!!というスタンスを取ります。

3つくらいであれば、先生自身も守れるし、子どもにも伝えやすいです。

クラスが落ち着かなくなったり、小さなけがが増えたり(クラスだけでなく、学校でも)
したときには、ここに戻って子どもと約束をします。
私は、とにかくけがが心配だったのと、
信頼関係を崩されるのがイヤだったので、
主にこういうことは伝えたと思います。

これは、子どもに対してというよりは、
先生自身が自分の最後の砦として守るものと思ってください。
あなた自身との約束です。

長くなってしまいましたね。

とりあえず復習。

①どういうクラスにするかという青写真を作る
②最初の呼名は絶対に間違えないように、読み方の練習をする。
③絶対に譲れないことを3つ考えておく。

これらを事前に決めておくことで、
3日間に子どもたちのあなたの経営方針を浸透させていきます。
そして、それが一番浸透しやすいのがこの3日間なのです。

まずは、この3つを考えてみてください。

あなたの学級経営を応援しています。

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コメント

  1. […] さて、いよいよ来週から本格的に授業が始まります。ここからが本番です。先日「黄金の3日間」の記事を書きましたが、来週の1週間が1学期を左右する勝負の期間です。今週末は、体を休めつつ、ぜひいろいろ作戦を練ってほしいと思います。 […]

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