学級経営講座⑫ 保護者との関わり方

学級経営講座

こんにちは。春名佑紀です。

今週1週間で4月も終了。
そして平成も終わりますね。

今週が終わり、次に学校へ行くときは「令和」です。

さて、多くの教員の方々が、
「今週を乗り切れば!!」
と指折り数えながら過ごしていると思います。

でも、今回の10連休は結構厄介。

4月いろいろやってきたことが、連休明けには全て台無し・・・ということも考えられます。

そのために、今週は、乗り切ることを目標にしつつ、
連休明けの仕込みをしておきたいところです。

では、本日のテーマ。

保護者との関わり方

最近では、とても大きなテーマになっています。
本来教員が向き合うべきは子どもたちなのですが、
近年、保護者との関わり方は教員の重要課題となっています。

戦後の公教育が始まってから70年が経過し、
学校や教員あり方にも大きな変化がありました。

保護者との関わりで今後大切なのは、

どんな内容も受け止める

ということです。

『受け止める』のです。

『受け入れる』ではありません。


正直、かなり理不尽な内容もあります。
私が見聞きしたものでは、
ビデオ撮影をしながらの面談の強要や裁判直前の案件もありました。
保護者がカチコミかけてきた例もありました。

先生に謝罪をしろ、と自宅へ呼んで土下座をさせられたという話も聞きました。

連絡帳に何ページも恨みつらみが書かれていたものを
頂いたこともありました。

でも、それは保護者の思いです。

そう思っている保護者の気持ちや行動を否定しても仕方ありません。
とにかく一旦受け止める。

そこで大事なことは、

あなたを否定しているわけではないと考えること

むしろ考えるべきは

これからどうする?

です。

もし、教員としてあなたの対応が間違っていたのであれば、
素直に改善をしましょう。
若い先生の場合は、保護者の方も応援してくれる人がいます。
激励かもしれませんし、
対応を間違えなければ、その後味方になってくれることもあります。

必要以上に自分を責める必要はありませんが、
改善が必要であれば、いい機会だと思い受け取りましょう。

もし、全くいわれのないことで批判を受けた場合は、
これから、子どもとあなたの人生を守るために何をすればいいのか
考えて行動しましょう。

保護者の思いは時に、子どもを思うあまり行き過ぎることがあります。
たまに勘違いな方もいらっしゃいますが、結構稀です。
(ちなみに、弁護士と教授系の職業の父親は気を付けましょう。)

よくよく話を聞いてみると、
子どもとの関係がうまくいっていなかったり、
家族での教育に対する考え方に隔たりがあったり、
他のご家庭との不和があったり、

と全く違うところに火種があるのだけれど、
たまたま先生に当たっちゃったということもあります。

こちらが冷静に対応していけば、
このことがきっかけで関係が良くなることもあります。

仮にそうならなかったとしても、
その子どもとは切り離して考えて、
これ以上の溝を増やさない努力をしましょう。

結局、しわ寄せは子どもにいってしまうので。

そのための『受け止める』なのですが、

必要なことは、

①俯瞰

②限定的な謝罪

です。

①俯瞰は、いい方は良くありませんが、
一度、怒り狂っている保護者をフィルターを通してみるという視点です。

そもそも、高いところから地上を見下ろし眺めるという意味です。

まるでテレビを見ているような、気持ちと視点を一度切り離すイメージです。

これは、一度冷静に状況を整理するために行います。
速記ができる人は、相手が言ったことをメモを取るといいでしょう。

カウンセラーがクライアントの悩みを聞いている時の視点です。

ちなみに、相手の言い分は全て吐き出させた方がいいです。
後だしじゃんけんのように、出てくると対応が後手に回るので、
最初は聞くに徹して、相手の腹の内を出させていきましょう。

②限定的な謝罪は、相手の言い分が全て出てきたところで、
こちらに何を求めているのか考えます。
これは、俯瞰ができると見えてきます。

その中で、謝罪を要求している場合、
謝罪をしましょう。

ただし、何に対しても「すみません」「すみません」では、
相手も納得できないし、返って言い分を助長させる結果にもなります。

そこで行うのが、限定的な謝罪。

あなたのしたことすべてを謝るのではなく、
(でも、全面的な悪いことだと思った場合は、素直に謝ってください!!)

自分に非がった部分について謝りましょう。

例えば、指導中に不適切な言葉を使った場合は、
不適切な言葉を使ったことに対して謝罪をします。

恐らく指導中だったということは、子どもが何かをやらかしたのかもしれません。
指導行為そのものには謝る必要ないので、
不適切な言葉の使用についてのみ謝ります。

全く身に覚えのないことで批判を受けている場合は、

「そういう気持ちにさせてしまうような言動を取ったこと」
についての謝罪をします。

よくあるのが、
児童を注意したときに、
家に帰ると、先生に何もしていないのに怒られたということを
言っていて、なんでだ!!という内容。

こういう場合、子どもには2つのパターンがあり、
1つは、自分に不利になることを言いたくないと故意に隠す場合。
もうひとつは、本当に何を注意されたのかわかっていない場合。

前者であれば、事実を伝えると同時に、指導の仕方に問題がなかったかを検証し、
必要であれば、謝罪をしましょう。

後者の場合は、少なくとも子どもにあなたの指導の意図が伝わっていないので
もう少しかみ砕く必要があったと謝罪できます。

なんでもかんでも、要求をのめばいいというものでありません。
かといって、全て突っぱねるのも大人げないです。

大事なことは、保護者の思いは受け止める。
必要なことは対応するというスタンスです。

若いうちはなかなかできないかもしれませんが、
いわゆる「モンスターペアレンツ」と言われる人は、
ほんの一握りです。

保護者だって不安を抱えながら子育てしていて、
子どもとどう関わればいいか、悩みながら育てています。

結局は、教員が心のゆとりをもつことが大事なのですね。

なかなか難しい!!

あなたの教員人生を応援しています!!!

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