こんにちは。春名佑紀です。
やっと卒業式も終わり一区切り。
そして、休校解除がなされ、新学期は4月から始められるのかな~と思いきや、
東京の外出自粛!!!
あの、もうすぐ4月で勤務が再開するんですけど・・・。
ま、でも、今何か言っても仕方ないので、できることをしましょう。
卒業式や修了式が終わるといよいよ新学期への準備が始まります。
学年や学級の内示なども出て、いよいよ新学期ムードへとなりますが、ここで気を付けたいことを書いておきます。
先入観を捨てよう
読む人が読めば当たり前なのですが、実は気が付かず罠に嵌ってしまっているのが「引継ぎ」
幼保→小学校、小学校→中学校など、校種をまたぐと薄れますが、進級だと必ず校内で子どもの「引継ぎ」が行われます。
これはとても大事なことです。
特に、
家庭環境
アレルギー関係
健康関係
支援等の内容
などは、必ず引継ぎが必要なことです。
しかし、この「引継ぎ」の内容によっては、無意識に子どもに対して先入観をもってしまうことがあります。
そしてこの先入観は、時に子どもへの対応を誤らせ、その子の問題行動を加速させる結果に繋がることもあります。
そこでまず、この「先入観」について解説していきたいと思います。
先入観と脳の働きの関係
先入観というと、あまりいい意味では使われませんが、これは私たち人間が生きていく上で身に付けた「防衛機能」の1つです。
例えば、新しく誰かと出会ったときに、あなたはその相手のどこを見て判断しますか?
実は、その多くは「目からの情報」なのです。
メラビアンの法則という有名なものがあります。(詳しく知りたい方は検索を)
さらに、人が第一印象を決めるのに必要な時間は、3~5秒と言われています。
(諸説あります。)
ちなみに、この話は、大学などで行われる就職向けのマナー講座などでよく言われる話です。実際に、A〇Aの人事担当者が、CA面接をする際に、採用の可否はほぼ4秒ほどで決まり、あまり変更はないといっていました。
さらに「初頭効果」と言われるものがあります。
これは、初めにもった第一印象は、なかなか覆らないというものです。
この初頭効果で得られた印象が変わるには、四六時中いる際で3か月ほどかかると言われています。
このように、私たちはそれほど時間をかけずに、人の第一印象を決めるという特性をもっているわけです。
では、なぜこんなふうに印象を決めているのか。
それには理由があります。
私たちの脳は、
わからない
という状態を嫌います。
目の前にいる人が、どんな人なのか、もっといういと「敵なのか、味方なのか」ということをなるべく早い段階で判断したいのです。
それが生命維持にとって大事だった時代から我々に備わっている力なのです。
そこで、今までの経験をフル動員して、目の前の人を判断しようと試みます。
こうして、その人を判断するためにかかる時間をできる限り短くしようとしてきたのです。
さらに、初頭効果についても脳の構造を関係しています。
せっかく短時間で決めた印象が、これまた短時間でコロコロ変わってしまったら、脳は落ち着くことができません。
そこで、この数秒で決めた印象の裏付け作業を始めます。
ある人の第一印象が「優しい人」だったとします。
するとそれ以降、その人が優しい人だといえる証拠を探し始めるのです。
例えば、
ハンカチを拾っている
笑顔が優しい
声をかけてくれる
歩き方が柔らかい
など、その人の行動の中で「優しい人」に見える要素を探し始めます。そうすると脳内では、
「やっぱり!」
「やっぱり!!」
「やっぱり!!!!!!!!」
というふうに、最初の印象を強化しようとするのです。
しかし、その後その人が人をいじめている様子を見たとします。
すると脳は、
「きっとあの優しい人を怒らせるよほどのことがあったのだろう。」
と、第一印象を変えないような都合の良い解釈を始めます。
こうのようなことから第一印象を変えるには、時間がかかってしまうのです。
当然ですが、この第一印象で分かることもあるし、当たっていることも多いですが、外れることも当然あります。
こうして、「先入観」が生まれていくのです。
学校現場で起こる先入観
このような脳の働きは、強かれ弱かれ我々人間に備わっているものです。
そうなるとある程度こういうことが自分の脳で起こっているということを意識しないと、気が付かないうちに子どもに先入観をもっていることが多くあるわけです。
そこで最初の引継ぎの話に戻るのですが、引継ぎの内容はこのような「判断材料」が溢れています。
・兄弟構成
長子?中間子?末っ子?一人っ子?
・生まれ月
低学年は特に重視される
・親の職業
・昨年の行動履歴
・兄・姉の素行
こういったものは、全て子どもに会う前に植え付けられる先入観となります。
結構びっくりするのが、ベテランの先生ほど自信をもって
「〇〇くんは、こういう子です。」
と言い切っていたりします。
きっとこれを読んでいる時は、
「先入観をもつなんて、教員としてよくない!!」
と思うと思います。
でも、私たちにとって先入観を全てなくして向き合うというのは正直難しいのです。
では、どうしたらいいか。
ここからは、教員によって方法はいろいろあると思いますが、今まで見てきた多くの尊敬できる先生の実践をご紹介します。
子どもの話を徹底的に聞く
至ってシンプルですね。
シンプルですが、理にかなった方法なのです。
先程、初頭効果を覆すには3か月必要だという話をしましたが、つまり、絶対に印象が変わらないものではないということです。
とにかく、なるべくフラットな状態で子どもと向き合うには、子どもとの接点を増やしていくことが近道です。
それがどんなに言い訳でも、どんなに筋が通らなくても、どんなにばかげていることでも。
なかなか時間が取れないと思いますが、その子から話された言葉を受け止めることはできますよね。
全部鵜呑みになんてする必要はありません。
何を考えているのか、
何を思い行動したのか、
どういう言葉で自分の思いを話すのか、
何を基準にして行動しているのか、
それを引き出し、その子どもの様々な面を見て知ることが先入観を捨てる一番の方法です。
なかなか時間が取れないかもしれませんが、新しく児童と会った後は、子どもとの接点を増やしてください。意図的にそういう機会を作ってください。
教員は、話すことが多いと思われていますが、聞き上手の方が学級経営が上手くて、先生に向いているかもしれませんね。
皆さんの学級経営を応援しています!!
コメント
[…] (学級経営講座㉘ 先入観の話で詳しくこのあたりのことは話してあります。) […]