こんにちは。春名佑紀です。
来月4月からどんなクラスを、どんな子どもたちを担任するのだろうかとドキドキ、ワクワク、ハラハラしている今日この頃。
しかし、前回の講座でもお話しましたが、どんなクラスでも必ず問題は起こります。
だって、人が何人もいるんですから。
そこで大事なってくるのが、
問題解決力
起こった問題をできるだけ迅速に、適切にさばいていく力が今の教員には必須スキルとなっています。
そこで今日は、クラスで起こったトラブルをどう解決していくかについて考えてみましょう。
問題解決は集団にアプローチ
想像してみてください。
あなたのクラスにA君という児童がいます。
その子は、友達にちょっかいをかけては周りの子が嫌がっています。人の物を勝手にもっていったり、順番を無視したり、気に入らないと叩いたり。
そんな児童に対して、あなたはどのように指導をしますか?
その都度注意をしたり、1人呼んで指導をしたり、改善が見られない場合は、保護者に連絡したり・・・。
おそらく、どの先生も一度は経験があり、上にあるような対応はやっていくでしょう。(保護者への連絡はもう少しあとかもしれませんが。)
しかし、上のような対応で問題が収まるのであれば、なんの苦労もないし、問題にすらならないでしょう。
このような場合、A君の問題行動は変わらないか、悪化することも考えられます。さらに、他の児童に波及し、同時多発的に問題が発生するようになり、それが学級の荒れに繋がるという一番考えたくない状態になることもありえます。
また、一時的に問題行動が止んだとしても、定期的にぶり返すということも考えられます。
つまり、何も解決していないということです。
ちょっと話はずれますが、この「問題解決力」というのは、以前就活生に望むスキルの1つとして取り上げられたことで一気に世間に広まりました。
一般に問題解決というと、
「理想の状態と現実の状態との間にあるギャップを埋めること」
を言います。
そのためには、正確に、現状の把握と目指す理想の状態の把握が必要となります。
これを学級で起こる問題に置き換えると、
現状=子どもの問題行動
理想の状態=教師の理想、目指す児童像
といえるでしょう。
この場合、「理想の児童像」があまりにも立派で現状とかけ離れて過ぎている場合、なかなか問題解決に至らないのは容易に想像がつくでしょう。
さらに、この「理想」の設定を間違えてしまうと、教師の独りよがりになりかねません。
そうなると、教師が学校という場所で目指す子どもの指導とは
「集団生活での適応できること」
ではないでしょうか。
これにも異論はあると思いますが、特に小学校においては、集団の中でどのように生きていくかということを学ぶことは重要です。
今後、人と関わらない生き方へと社会が変わっていくかもしれませんが、それでも誰の力も借りず、たった一人で生きていくことはできないので、人との関わりは学ぶことが必要です。
では、「理想」を集団での適応力を学ぶとしたとして、現状は周りの子どもたちとのトラブルが絶えないとなると、いくらそのA君個人にアプローチしたところで問題は解決しません。
話が前後しますが、いわゆる学校における問題の多くは「人間関係」から派生します。
(もちろん学校なので学習面での問題もありますが、これはほぼ教師側の問題なので今回は割愛します。)
これは、何も学校だけに限ったことではなくて、生きていると起こる問題の9割は「人間関係」だと断言する人もいます。それくらい私たちにとって、「人間関係」というのは生きる上での大問題です。
つまり、子どもたちにおいても、集団との関わり方を学び、問題を解決していくためには、「集団」で取り組まなければならないのです。
先程、個別へのアプローチでは何も解決していないといったのは、学級の人間関係の問題は、学級単位で取り組むことが必要なのです。
人数の多少にかかわらず、人が複数集まるとそこには、ある一定の縛りをもった「集団」が生まれます。その縛り(ルール)には、そこに集まる人間の関係がそのまま反映されます。
例えば、1人仕切るような人がいると、周りの人はそこに流されて、仕切る人がルールを決定するというのは想像しやすいのではないでしょうか。
集団のパワーバランスの歪みが人間関係の問題を生むのです。
いじめの構造もこれが発端です。
問題行動を起こすA君は、極端に言えば、
その集団にいるから問題行動を起こすのです。
誤解を恐れずに言うのであれば、A君の問題行動の原因は、その学級のメンバー全員なのです。
このメンバーには当然ですが、担任もA君自身も入ります。
原因が、メンバー全員なのであれば、問題を解決するには、A君だけを指導したところでうまくは行きません。
そこで必要な手法が、「集団へのアプローチ」なのです。
A君の問題行動を、学級という集団に返すのです。
そして、メンバー全員が「自分事」としてとらえてどのようにしたらいいのかを考えて、集団を再構成していくのです。
この視点がないと、もぐらたたきのように問題が起こり続けます。そして放っておくと、学級が不安定になり、荒れたり崩壊したりします。
是非、集団へアプローチするという視点をもって、学級の問題に取り組んでみてください。
今回は、集団へのアプローチの必要性についてお話をしてみました。
次回は、もう少し踏み込んで具体的な方法についてお話しします。
キーワードは、「学級活動」でしょうか。
やはりここでも重要ですね。
では、あなたの教員生活を応援しています。
コメント
[…] 前回は、学級で起こる問題解決は集団でアプローチをしましょうというお話でした。 […]