子どもたちの「生きる力」④ 稼ぐ力とお金

教育全般

こんにちは。春名佑紀です。

子どもたちの「生きる力」の第4弾です。

前回の第3弾までは、文科省が定義する「生きる力」の内容にそって、
意見を述べてみました。
文科省がいう、3つ「確かな学力」「豊かな心」「健康・体力」はもちろん、生きていくには必要な力です。でも、その定義は、ふわっとしていて、抽象的です。

来年施行の新学習指導要領も、英語やプログラミングの導入という目玉企画はありますが、
その意図はイマイチよく見えません。
これからの10年が、前の10年より変化が激しくなりそうな中、
本当に子どもたちに必要なことは何かを考えていきます。

ここから春名の持論が炸裂します。

ではその1弾目

「稼ぐ力」

さ~いきなり来ました。
絶対反論受けそうな内容です。

日本はいつからか、「お金」や「稼ぐ」といったテーマが苦手です。
そして、なぜか「お金を稼ぐ=労働」という図式が定着しています。

そもそも、この話をするには「お金って何か?」という話から入った方がいいと思います。

すっごく簡単に説明すると・・・。

人間の進化の歴史を考えると、お金はあくまでも「道具」です。
食べ物や生活用品などの物々交換が主流だったものに、「貨幣」という道具を挟むことで、
ものの物流をスムーズにしたのです。
「お金」とは、そのものに価値があるわけではなく、使われるときに「価値が生まれる」ものです。

持っていて貯めていてもあまり意味はなく、どんどん循環させた方が価値が増えるものです。

でも、なぜか「お金持ち」のイメージって日本ではあまり良くないし、
子どもが
「将来何になりたい?」
と聞かれて、

「お金持ち」

というと、

「夢がないな~」

と言われる。

一方で、将来への不安からお金を貯める傾向があります。

こう書きながら、もちろん気持ちをよくわかるし、私もどちらかというと、貯めこむタイプなのですが、本来はお金って循環させてなんぼのものなんですよね。

お金持ちほど、お金を掴んですよね。

日本でも有名な○○ホテルのオーナーは、ご自身の財産がどのくらいあるのか把握できていないそうです。それは、稼いだお金はまた次の事業に使い、それらがまたお金を生むという循環されていて、価値がどんどん生まれているからです。

アメリカなどでは、お金を儲けて寄付をするのがステータスだそうです。

確かにお金の力は強いですが、それに振り回されているのは、「お金」そのものに価値を見出しすぎているからではないかと思うのです。

とはいえ、あるに越したことはないですよね。
そりゃ、私もたくさんほしいです。

であれば、お金を稼ぐ方法を考えなければなりませんよね。

今現状、最もお金を簡単に稼ぐ方法は「労働」です。

正社員にしろ、バイトにしろ、自分の労働力や時間を売ってお金を得るというのが最も手っ取り早い方法です。
ただ、この方法には限界があります。
そして、これは自営業であっても同じです。

「労働」をお金に換える方法は、とても単純ですが、
稼げる額にも時間にも制約があり、どうしても限界がやってきます。

そこで「お金」の「価値を生み出す」という性質を使って稼ぐのです。

今日は「お金を稼ぐ方法」がメインではないので、話を子どもの話に戻しますが、
このテーマは教育と別にいつか取り扱いテーマでもあります。

実は、この「お金を稼ぐ」というのは、日本人は苦手なんです。
なので、子どもたちにそれを教えることもしないし、
「お金の価値」についての授業もありません。

でも、これからはこの力は必ず必要になります。

要因は2つ。
1つは、「終身雇用」の限界です。

そもそも「労働」が爆発的に増えたのは戦後です。
多くの企業が労働者を求め、40年近く縛り付ける代わりに、老後の保障をしたのが「終身雇用」です。これによって、自分が生涯で手に入れられるお金の額がなんとなくわかり、使い方をコントロールできて、安心して人生を送れるという、とても素敵な制度でした。

しかしこのシステムが機能するのは、半永久的にその企業が右肩上がりに業績を上げてくればという条件の元。普通に考えて、毎年の売り上げが横ばいなら、利益は増えないのですから、賃金は上がりません。

さらに「年功序列」のように、長くいればいるほど恩恵を受けるシステムは、時間が経てば経つほど賃金が企業を圧迫します。

よほど強い企業でない限りは、このシステムを維持していくのは難しいです。
あのトヨタ自動車ですら、「終身雇用の継続は難しい」と言ったくらいですからね。

つまり、自分の労働力や時間を切り売りする方法は、今後「お金を稼ぐ」ことにおいては、不向きだということが言えるわけです。

もう1つの要因はAIの台頭です。

「労働」と一言にいっても、様々な種類があります。
先程賃金の話をしましたが、結局のところ、企業が抱える支出のうち最も多いのが「人件費」です。

その「労働」の内容によって、賃金の増減に多いな影響をもたらします。

誰でもできるような仕事になればなるほど、賃金は安く、
その人にしかできないという希少性が増すほどに賃金は高くなります。

それでも、日本は最低賃金が世界でもトップレベルに高い水準です。
贅沢はできないけれど、「労働」をしていれば生活できるくらいの収入を得られます。

しかし、それを脅かすのが「AI」です。

今の段階では、「AI」がどの程度の仕事ができて、どの程度我々の仕事を奪っていくか未知数です。
半分はなくなるという人もいれば、7割という数字を出す人もいます。
案外、それほど役に立たないかもしれません。

未来のことはわかりませんが、近い将来では、レジやコンビニの店員は必要なくなりそうですよね。

そうなると、今は普通にある仕事が20年後にはなくなっているなんてことがあるかもしれません。

これらの現状を踏まえると、今の子どもたちが社会に出たときに、
できる仕事がないという事態も予想されます。

その時に必要なのが、「お金を自ら稼ぐ力」です。

雇われるのではなく、自分から価値を提供し、お金を獲得する術を身に付ける必要があります。
現在高校まで教育で、「お金」を扱う授業はありません。
大学でも理論はやりますが、具体的な方法論を学べるところは少ないでしょう。

もちろん、お金を稼ぐために最低限必要な「学力」は必要だと思います。

でも、そういうことを楽しいとか面白そうとか思えないと、
実際の行動には結びつかないでしょう。

「稼ぎ方」を子どもに教えるというよりは、
「お金を稼ぐってどういうこと?」というのを教えるのは必要だし、それにともなって「お金って何?」を考えさせるのも大切です。

ただ、「お金が大事、小遣いは大事に」という教育ではなくて、
そもそもお小遣いってなんでもらえるの?とか、
どうして、毎日食事が食べられるの?とか
お金を大事にしなくてはいけないのはなぜ?という

教育が今必要なのではと思っています。

正直、お金のことについては私の現在勉強中なので、子どもたちと一緒に学んでいきたいと思っています。

 

いかがでしょうか?
反論などありますか?

ありますよね。
ご意見ください。
何が正解という話ではありませんからね。こういう話って。

次回もお楽しみに!?

 

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