with コロナの教育① オンライン授業のあり方

教育全般

こんにちは。春名佑紀です。

いよいよ、緊急事態宣言が全国で解除される見通しですね。

やっと、というべきか。

もう、というべきか。

しかし、間違いないことは、このコロナウイルスと付き合いは、これで終わったわけではないということです。必ず、また感染が広がるタイミングがあるでしょう。

コロナウイルスがもたらしたものは、数多くありますが、こと教育に与えた影響は甚大だったと思っています。今後さらに、教育の在り方そのものを変えていくきっかけとなるでしょう。

そこで今回は、このコロナウイルスがやってきたことによって、今変わっていく教育について考えていきたいと思います。

オンライン授業の可能性

一番大きなテーマとしてはこの「オンライン授業」があげられるでしょう。

諸外国との制度の遅れが浮き彫りになった教育とネット環境。

このオンライン授業が今後、日本の教育界にどんな変化をもたらしていくのか考えていきます。

視点は3つ

①オンライン授業のメリット・デメリット

②オンライン授業の効果を上げるための条件

③オンライン授業は、学校での授業の代替となるのか

恐らく、毎度のことですが書いているうちにいろいろ話は飛ぶと思いますが、この3つの視点で考えてみます。

 

オンライン授業のメリット・デメリット

まずは、メリットとデメリットを挙げてみましょう。
ここでは、ZOOMのようなツールを使った双方向授業を想定しています。

【メリット】

通学の必要がない(自宅学習が可能)
電話などと違い、顔を見ながらコミュニケーションが取れる
データの共有などを行うことで、一度に情報の共有ができる

【デメリット】

人数が多いと、子どもの顔が1画面に全て映らない
双方向のやり取りはできるが、いっぺんに話をすると全く聞き取れない
ITに慣れていないと、スムーズに進められない

・通学の必要がない(自宅学習が可能)

これは今回のような事態に陥ったときに、自宅(ネット環境が整っていればどこでも)で、授業を行うことができるので、一番大きなメリットになろうかと思う。
さらに、この授業の有効性が確認されれば、不登校や病欠などの児童ともやり取りが可能になる。児童とのコンタクトツールが増えることで、新しい支援の形が見えてくるのではと思う。


・電話などと違い、顔を見ながらコミュニケーションが取れる

今回、児童との電話でコンタクトを取ったあと、ZOOMでのHRを行ったのだが、やはり顔が見えるというのは安心する。そもそも電話が得意ではない児童もいるので、途中で会話がストップすることもあったが、お互い顔が見えていれば、表情で読み取れることもあるので、コミュニケーションがとりやすくなると感じた。


・データの共有などを行うことで、一度に情報の共有ができる

これは、さらに今後のツール開発に期待したい部分でもあるが、普段の授業であれば黒板を使ってできることが、カメラの精度などによっては、板書したものが見えにくいということもあるので、ただ、一方的に話す動画配信やメールや紙ベースの伝達よりもリアルタイムでやり取りができる点はやはり大きいメリットだ。さらに発展形として、電子黒板でできるような機能が普通にできるようになると、オンライン授業の質は格段に上がるだろう。

 

・人数が多いと、子どもの顔が1画面に全て映らない

これは、もう仕方のないことだが、1画面に映る最大人数が決まっているので、一度にすべてに児童の顔を確認できない。これは教室なら一発なので、いちいち画面を動かしながら児童の様子を確認するのは、いらぬ手間だなと感じてしまった。

また、今回大変だったのは、新学期にかぶったために、児童の顔を覚えていない状態でいきなりオンラインでこんにちはという事態もあった。少し関係があれば顔を見ただけでもわかることは多いが、さすがに顔と名前が一致していない状態でいきなりオンラインというのはかなり無理があるなと感じた。


・双方向のやり取りはできるが、いっぺんに話をすると全く聞き取れない

これは、もちろん教室でも同じことだが、ある程度オンライン授業のルールを設定しないと授業としては成り立たない。よくテレビでコメンテーターがコメントかぶって何も聞こえなかったという状態を目にしたが、教室でのルール以上にしっかり決めておかないと、収拾がつかなくなってしまう。


・ITに慣れていないと、スムーズに進められない

もうこれは、「先生頑張れ!」という以外にないが、ある程度使い慣れていないと授業はちょっと難しいだろう。例えば、ベテランの先生で、ライブの授業であれば、臨機応変に対応できる人でも、オンラインでのトラブルやそこで起こったことへの機転は、すぐに利かないこともある。どうしてもこういうものは場数がいるので、定期的にやっていかないと質を上げていくことは難しいだろう。

 

 

もちろん、もっといろいろメリットもデメリットもありますが、とにかく導入を想定していない中での実施だったので、かなり混乱や不手際などもあったのではないかと思うのです。

 

オンライン授業の効果を上げるための条件

では、このオンライン授業、どういう条件が整えば、効果的に実施ができるのか、今の時点が考えてみたいと思います。

①人数は15人まで

個人的には10人としたいところですが、15人くらいならなんとかなるかな。
現状、40人学級を3つに分けると13人と14人。
最低限、1画面に全員映っていてほしいし、ペアワークやグループワークがなかなかできないと考えると、自分の考えをみんなに共有させるには、人数的にはギリギリかなと思います。

②定期的な授業実施

今回は突然起こったこの事態に緊急でやってみたという感が否めません。

しかし、もうこのオンライン授業そのものを避けて通れないだろうということを前提にして、定期的に実施することが必要だと思います。
これは教員がこの方式に慣れることもそうですが、受ける側の児童が使いこなせるようにすることも大事です。

特に低学年の場合、機器の取り扱いに慣れていないと必ず親が付き添わなければならないとなるとそれだけで制限が加わります。

もちろん、子どもへのネット教育(どう扱うかという話)と並行して行うことが大事ですが、ある程度自分で機能を使いこなせる必要があるでしょう。

ま、実際は子どもたちの方がすぐに使いこなせると思いますが。

③授業内容の厳選

オンライン授業の場合、どうしても起こるタイムラグが、授業の流れを止めてしまうことがあります。そこで、半一方通行型の授業内容が一番しっくりくるのではないかと考えています。

勝手に私が考えた「半一方通行型授業」とは、

授業の前半は、教師による解説や説明など伝達的な内容

そして、後半はそれを踏まえての子どもたちの理解度の確認や、1人ずつによる内容発表などを取り入れて到達度チェックを行うという形が望ましいのではないかと思います。

なぜ、「半」とつけたかというと、完全な一方通行授業であれば、動画配信でいいからです。

④オンライン授業用のソフト開発

今回本校で使用したのはZOOMだったが、これはそもそも「授業」を想定して作られたものではなく、あくまで会議用ツールだ。

会議と授業は違うので、授業用のツールが欲しい。

例えば、参加メンバーの中で少人数グループワークができて、自分のチーム以外の音は入らないようにして、グループ発表ができる(この際教師は全チームとのコミュニケーションを可能にする)とか、お互いの顔とノートを同時に見せられるようにできるとか、VRのように仮想空間の中で授業ができるとかすると広がりがあると思う。

この辺りは専門家の方々に、ぜひ今後の開発を期待したい!!(人任せ♡)

 

オンライン授業は、学校での授業の代替となるのか

コロナウイルスの感染拡大によって、日本の教育のIT化が遅れていることが露呈してしまう結果でしたが、逆に考えれば、いい機会となるのかもしれないと思います。

日本はもともと何かないと変わっていかないということがありますが、それでも日本全体が、これでは教育まずいだろうと注目してくれたのは大きな収穫ではないかと思います。

正直、日本の教育はいまだ戦後に決めた形を踏襲していて、学習指導要領こそ十年のスパンで変わっていますが、在り方そのものは70年以上変わっていないのが現状です。

9月入学議論も大切ですが、21世紀型の教育に少しずつ変えていかないと、世界との差はますます広がるのではないかと思います。

 

こういったことを踏まえて、ではオンライン授業は、今まで普通に行っていた学校でのライブ授業に替わることができるのかどうか事ですが・・・。

 

替えられない

 

というのが私の考えです。

オンライン授業はこれから導入は必要だと思います。

先程も述べましたが、それは緊急避難的なものではなく、定期的に実施したり、学校内でも取り入れたりと普段の生活に浸透させるべきです。

しかし、それなら学校に行く必要がないかというとそれは違うと思います。

特に小学校については、オンライン授業がどれほど発達したとしても、学校で顔を突き合わせて、リアルで接する場は必要です。

また、どれほどオンラインの授業の精度が上がったとしても、同じ空間で行う授業でなければ得られないものがあります。

これを「空気」という言葉を使うと拒絶反応が出る人もいるかもしれませんが、一期一会なんですよね。授業って。同じ授業をやれと言われても、なかなかできるものではありません。

だからこそ楽しいし、そこに一体感が生まれたり、所属感が生まれたり、学級という絆が生まれるわけです。それが70年に渡り、日本で培ってきた学校の良さだと思います。

しかし、それだけではこれからボーダレス化する世界に飛び出す人材を育てるには足りないのです。

 

オンライン授業は一つの選択肢です。

不登校や病気やけがで学校に通えない子どもたちに教育を提供するという新しい可能性も秘めています。教室には入れないけれど、オンラインでなら参加できるという場合もあるかもしれません。

あくまでも教室での授業を柱として、オンライン授業を取り入れていくことは、これからの教員、これからの教育には不可欠な要素だと認識した方がいいと思います。

 

ちょっと長くなってしまいました。

あなたの学級経営を応援しています。
一緒に頑張りましょう!!

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