学級経営講座⑱ 子どもと向き合うということ

学級経営講座

こんにちは。春名佑紀です。

10日ぶりに見る子どもたちはどんな様子でしたか?

学校に来るのをわくわくしていた感じですか?
休み疲れの顔でしたか?
1か月前に戻っちゃった感じですか?
特に変化なしですか?

まあ、いろいろな子どもがいますよね。

でも、ここからが本番です。
いや、勝負といってもいいのかな?

特に今回は10日間休んでいますので、
長期休みがあったくらいと考えて、
ここから引き締めて子どもたちをがっつり組んでみてくださいね。

さて、今日のテーマはまさに

子どもと向き合うということ

今日も、いつもと同じく持論全開でいきます。

私が今まで、学級経営が上手いとおもう先生の指導や、
たまたま自分が上手くいった!と思ったときの指導の
共通点を考えてみました。

では、さっそく事例を挙げましょう。



A君がB君を叩いたとします。
さて、あなたは何と言って、指導しますか?





では、2問目

今から挙げる2つの言い方についてどう思いますか?

①「A君、なんでB君を叩いたのですか?」

②「A君、B君に何か言いたことがあったの?」

さてあなたはどんなことを感じますか?

今回のケースだとちょっと設定が曖昧なので、分かりにくいですが、
単純に、①と②では違いがあります。

ちなみに、子どもたちに指導する際にまずは、「なんで?」と聞くことが
多いですよね?

いきなり頭ごなしに怒るというのは、最近は減っていると思います。
まずは言い分を聞いてやろう、というのが常套手段です。

しかし、これは子どもの年齢や気質によりますが、
明確に理由をもたない、もしくは言えないという児童がいます。
また、家庭環境などで、手を出すことが日常になっている場合も、
はっきりと理由を言えないことがあります。

ある程度、年齢が上がってくれば、「なぜ?」と聞いた内容にも
子どもの「建前」が入ってくることもあります。
そうすると、指導が上滑りしてしまいます。

では、①と②では何が違うのか?
①はA君の「行動」に焦点を当てています。
②はA君の「心」に焦点を当てています。

(正直この例ではわかりにくいですよね・・・。)

つまり!(強引にまとめると)
子どもへの指導で大事なのは、「行動」よりも「感情(心)」
目を向けるということです。

なぜなら、
人間の行動には必ず「感情」が伴うからです。

これは大人になってもありますよね。

そして、感情と行動は必ずしも一致しないということです。

例えば、好きな子をいじめてしまうという行動は、
好きという「感情」をいじめるという「行動」で表します。

いじめられた方は本気で嫌がったりして、全く気持ちが届かないという
残念な結果になるパターンですが、
これは、私たち人間にはよくあることです。

ましてや、10歳前後の子どもに、
行動の明確な理由を聞いても、あまり意味がありません。

でも、子どもでも、自分の気持ちなら表現できます。

悲しかった
嬉しかった
楽しかった
悔しかった
怒った

こういう気持ちは、小さな子どもでも表現できます。
子どもの指導には、

感情(気持ち)に寄り添う

ことが大事です。

子どもの感情に向き合う指導がなぜ大事かというと、

子どもが「先生が理解してくれた」と感じるからです。

行動を指摘されると、子ども側もどうしてそうしてしまったのか
うまく説明ができず、結局叱られるということになります。

ほぼ100%その行動は間違っているから指導を受けるわけで、
子どもからしたら絶対怒られることになります。

でも、感情を拾ってもらったら、次のステップは
「どう行動すればよかったか」
という指導が可能になります。

例えば、先ほどの例だと、
B君がA君の悪口を言ったとします。
当然ですが、A君は怒りますよね。
その次の行動が叩いたとなったわけです。

叩いたことは悪いけど、
B君に対して怒ったことは悪いわけではないので、
では、その気持ちをどう表現すればよかったか
という指導ができます。

A君がB君に対して怒っていたということを受け止めてあげれば、
A君としては、安心できます。
そこを受け止めてあげると、先生への信頼感は増します。
反省もしやすくなるのです。

これは、かなり単純なパターンですが、
いじめも不登校も他の行動についても、
必ず感情が絡んでいることは確かです。
その感情と、行動は必ずしも脈絡がないかもしれません。
なんの関連性もないことだって考えられます。

でも、そんな自分でもわからない気持ちを拾ってもらったら、
子どもでなくても誰だって嬉しいと思いませんか?

正直、毎回の指導でこういうことができるかは疑問ですが、
ここぞという指導の際や、学級で肝となりそうな児童については、
一度子どもの気持ちに深く向き合ってみることも必要ではないかと思います。

誰でも、感情をもっていて、気持ちを理解してもらうのはとてもうれしいですよね。

それには、子どもたちを常に観察している必要があります。
ちょっとした表情の変化や態度の違いなど、
様々なものがヒントとなるはずです。

あなたを悩ませるその子は、もしかしたらあなたに理解してもらいたいと
思っているかもしれませんね。

ちなみにですが、
先程、児童の気持ちを挙げたときに、気が付きましたか?

悲しかった
嬉しかった
楽しかった
悔しかった
怒った

そうなんです!
怒るだけ動詞なんです。

「怒り」は2次感情だと言われています。
「感情の蓋」なんて言い方もします。
別の感情を隠すために、怒りを感じるようにできているのだそうです。

このテーマはまた別の機会に書きますが、
何に対して人が怒りを感じるのかを知ると
その人の本当に理解に繋がります。
(これは自己理解にも使えます。)

ちょっと脱線しましたね。

人の感情は奥が深い。

あなたの5月の学級経営も引き続き全力で応援しています。

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