子どもたちの「生きる力」⑥ 「変化」に対応する

教育全般

こんにちは。春名佑紀です。

これからを生きる子どもたちに必要な「生きる力」
独自の視点で切り込んでいきます。

今日のテーマは?

「変化」に対応する力

自分で書いてて、苦手な分野であるんですが。

自分から変化するのは好きなんですけど、周りから変化を強要されるのは嫌なんですよね。(わがまま)
という私の話は置いといて。

これはこれからを生きる子どもたちにはどうしても身に付けてほしいものですよね。
逆を返すと、

「変化に対応できないと取り残される!」

といえる思います。

もちろん、変化にもいろいろあるし、変化に対応しない生き方もあるのですが、
ないよりはあった方がいい力です。

しかし、なかなかこの力を身に付けるのは容易ではありません。

理由は、人間に備わっている特性と身に付け方にあります。



ホメオスタシスという言葉を聞いたことはありますか?

「生体恒常性」と訳されます。
簡単に言うと、生体機能として生存に適した一定の範囲に戻そうとする働きを言います。
例えば、熱が出たら、汗をかいて熱を下げようとします。
運動して心拍数が上がったら、呼吸を大きくして心拍数を戻そうとします。
けがをすると、かさぶたができたり、膿を出したりして直そうとする自然治癒力もこれに入ります。

このように、人間の体は安全だと認識している初期設定に戻そうとするのです。

実は、この機能は生体だけでなく感情や思考にも働くと言われています。

我々の祖先が何千人に渡り蓄積してきた情報がDNAに組み込まれていています。
その一番の関心ごとは「身の安全」です。

例えば、青い色の物を「おいしそうだ」と思えないのも、
「青い食べ物は毒がある!!」
という遺伝子情報が組み込まれているからだと言われています。

また、「火」への恐怖から「熱い」と感じる器官が発達し、
条件反射で回避をするのも、先人の経験から得たものでしょう。

こうやって、生命の危機に関わることになればなるほど、
「こうすると安全だ、生き伸びられる」
という情報を蓄積し、危険を回避してきました。

その生きるための「成功体験」が覆される事態になるのを最も恐れるのです。

「変わらないこと」は安心であり、できれば脅かしてほしくないものなのです。

そしてこの感覚は、そもそも遺伝子情報に組み込まれているものから、
生まれてから後天的に備わったものにも適応されます。

さらに、年齢を重ねると余計「変化」に対応できなくなることがあります。

これは、「変わらない」ことが長くなればなるほど、そこが安全だと認識するからです。

個人差がありますが、
「変化」を好まない人間の特性があるため、
「変化に対応する」といってもそう簡単にほいほい対応できるわけではないのです。

 

もうひとつは、仮に「変化に対応する力」を身に付けるために何ができるかと考えると、
「変化」に対応したときにうまくいったという「成功体験」の積み重ねが最も安全に身に付けられる方法になるという、禅問答みたいな感じになってしまうということです。

例が適切かどうかわかりませんが、
10年住んでいた地域を離れるのと、40年住んでいた地域を離れるのでは、
当然後者の方が、勇気もいるし、移動にはエネルギーを使います。

「変化」に対応する力を身に付けるのには、子どもの頃の方が身に付きやすいのです。

子どもたちに、意識的に変化への対応力を身に付けることができれば、
大人に教えるよりも早いと思います。

では、学校においてはどのように身に付ける方法があるでしょうか?

先程、「変化に対応した成功体験」の話をしましたが、
基本的にはこの仕組みを利用します。

そもそも、「変化」は決して悪いことばかりではありません。
人が「変化」に弱いというだけ。

変わることが危険なのか
変わらないことが危険なのか

これは、当然ケースバイケースです。

つまり、何か「変化」が訪れそうになった時に、どう判断するかという経験を積ませることが大事です。

闇雲に「変化」を受け入れるようにしてもダメだし、
動かないことを成功体験にしてもよくありません。

何か事態に変化が生じたときに、どうするか自分で判断する経験をさせるのです。

これは「課題」などでも同じです。

何かが起こったときにどうするかを考える力

「問題解決力」なんていいますが、
「変化」も一種の「問題・課題」です。

発達段階にあった「問題・課題」がありますが、

「自分で乗り越えた」

という経験は必ず自信につながります。

学級での課題、トラブル、学級会の議題になるような出来事、
こういうものは、仮に間違った判断をしても命に直結するものはあまりないし、
そう判断すれば教師が介入できます。

クラス替えをして今まで生活が変わった場合、
どうやって友達を増やすか、
どうやって新しい学級になれるか、
こういうのも、「変化」への対応力になります。

学校で起こることは子どもたちにとっては変化の連続です。
そこで、いかに解決していくか、

これが「変化に対応する力」を身に付ける方法になります。

ここで大事なのは、

「自力で」

ということ。

別に、大人の手を借りてもいいのです。
ただ、介入を最小限に減らし、
子どもが「自分で解決できた」とい思わせるのが大事です。

周りの大人は、

手を出す
口を出す
目をかける

というその時の状況に合わせて、対応を選ぶことが望ましいでしょう。

 

このめまぐるしく変わる社会において、変化が必ずしもいい方に転ぶとは限りません。
変化しないことも最善かどうかわかりません。

さらに、変化という波に身を置くことは、適度に私たちに刺激を与えてくれたり、
また成長のチャンスになったりします。

どちらの選択をするにしても、安易に選ぶのではなく、

「自ら考え、行動する」

という姿勢をもち続けていくことが求められるでしょう。

元々の性格などももちろんありますが、
小さい頃のこういう経験は必ずその後に役に立ってきます。

取り返しがつくくらいの「経験と失敗」はぜひ子どもたちに経験させたいものです。

 

いかがでしょうか?

年を重ねている私には、書きながら耳の痛い話になってしまいましたが、
40歳を超えて、新しい分野に挑戦している自分を褒めつつ、
自分を励ましながらこれからも頑張っていこうと思います。

 

あなたの教師人生を応援しています!!

 

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